音すきDX: 【IIDX Rootage】万年中伝の我輩が見た段位認定の深淵

万年中伝が改めて段位認定の絶望を知った、その時の話。

いつからだろうか、『皆伝』を意識したのは。

DistorteDで初めて十段を取った時、
そんな感情は抱かなかった。
DUE TOMORROWの恩恵を受け、
One More Lovelyが偶然ハマらなかった際の話だ。
その上に行ける等と思いようがない。

冥をノマゲで抜けた時か？
バドマニクエルを難抜けした時か？
卑弥呼に緑ランプが点いた時か？

ハッキリとは記憶していない。
ただ今確かに言える事は……
向こう5年～10年は皆伝を目指していたが
皆伝を抜ける「手応え」は一度も感じた事がなかった。

IIDXで☆12HARDクリアは増えて行くが、
難曲の腕前はそれほど上がっていかない毎日。
beatmania初代からやっている昭和生まれの身だ、
年齢やプレイ回数、頻度の事もあって
ながらく実力は横ばい、または微増。
Rootageに入っても皆伝受験の結果はそう変わらなかった。
嘆きの樹でまぁまぁ落ちる。
灼熱でもたまに落ちる。
卑弥呼でほぼ間違いなく落ちる。
途方に暮れていた。

停滞モードの自分に、こんなツイートが目に留まった。
『段位十段、ミラーで取れました！』
聞けばreunionの後半が片手側だけ異様にテクいから、
そんな事が書いてあったような気がする。
なるほど。
モチベーション維持は人ほど困らないタイプの自分だが
記念で試してみたいという動機になった。

早速調子が良い日にミラー皆伝を試してみた。
歳を取ってから、調子に（主に下の方に）ムラが出易くなったが、
案外早く調子が良い日が来た。

嘆きの樹。
正規譜面だと前半で皿がポンポン来る地帯の前、
あの何でもない部分に妙な癖がついていて、
ゲージは減らないが何故かGOODを
維持するのでやっと、という状態だった。
ミラーだと非常に手が動かし易く、ほぼ黄グレ以上。
そこで気を良くしたのか体感難易度は
ほとんど変わらなかったが30％程度を残して抜けられた。

灼熱。
これには手を焼いた。
正規はそれほど苦手意識もなく大方補正効果で耐えていたが、
ミラーだと前半のバスドラと皿のリズムを合わせにくく
脅威のトリル地帯までにゲージを回復出来ない。
トリル地帯も、片手打ちでやっているが左右の指の入りが
逆だからか、はたまた腕の移動が関係しているのか、
とにかくうまくいかない。
途中ゲージが4％まで下がるのを見た気がするが、
気力で抜け切った。終了時のゲージは20％強。

卑弥呼。
ミラー効果があったのか自分では体感出来ていなかったが、
連打、最初の低速、軸、物量、どの地帯も30％近くを保った。
そして一番の落ちる原因、最発狂と低速地帯を耐えた。
いつも直前まで迷っているが、今回はギアチェンなし。
12％でのフィニッシュだったと思う。

冥。
本当に久々の皆伝冥だ。
卑弥呼を抜けられる事が希少だったから。
いい歳してゲームでガチガチに緊張している事を自覚しながら挑む。
今歩いたら手と足が一緒に出るかもしれない。
幸い自分は冥の道中に苦手意識は薄かった。
序盤の「癖が付きやすい」とされている箇所は問題にならなかった。
この曲に突入しさえすれば、まとまった回復が得られるのだ。
勿論、低速部分までの話だ。

低速に突入した時点で残りゲージは90％前後。
ゾーン突入で少しもつれて100％にならなかった事が悔やまれる。
低速地帯を捌く。
低速は苦手ではないが得意でもない。
他曲は対策でなんとかしてきた。地力はそれほどない。
概ねいつもと変わらず、ゲージの上げ下げがありながら進む。
速度上昇地帯前半。
ミラーは多分初めてなので違和感が気持ち悪い。
左利き2Pの為5番までを左手で無理矢理処理しつつ進行。
どんどんゲージが下がってきた。
しかし譜面と速度はガンガン襲ってくる。
ほぼ落ちる160～170地帯になってもまだ終わらない。
左手は何が降ってきているのかわからないがとりあえず動かす、
右手は自分ですら何をやっているのかわからない……！
190、皿とバスドラが目に付き過ぎる、
どこか3番（ミラーなので5番）が歯抜けだった筈だが見ていられない。
最終盤、譜面は見えているが手は多分動いていない。
でも俺はDIAVOLO正規がそれなりに得意なんだよ！

ドゥルルルルルルルル
ドゥルルルルルルルル
ブインブイン……

テーンテレレーン

ガシャーン

聞き覚えのあるフレーズの後、
後半のメロディを鳴らしかけた瞬間の終了。
恐らくそこをミスしたのではないだろう、
最難部の見逃しだかがそこで減ったのだと思う。
遂に初めて滝の先が見え、そこで終わってしまったのだ。

これまで冥まで到達する事自体が少なく、
ブインブインのあの辺りまで行ける事は片手で足りる程度だった。
そこまで行っての敗戦はかなり堪える結果となった。

何故あの低速までにあと2％でもゲージを残せなかったのか
何故あの発狂地帯で1ノーツ多く叩けなかったのか
何故あの発狂地帯で1ノーツ少なくハマりをかわせなかったのか
今後延々と続く業を背負ってしまったのではないかと思った1プレイだった。

その後ステップアップモードで
ミラー冥を100％スタートでやってみるとクリアしてしまった。
その日から何度も皆伝に挑戦しているが、
この回に近い結果は出ていない。

段位認定　皆伝　不合格　62％

この後悔は、皆伝を獲る事でしか拭えない。

次回へ続く。

次回→「万年中伝、最後の戦い」

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